Takaharu Tezuka Workshop 5th Day: Quick Report

手塚貴晴ワークショップ:五日目レポート

M班
 
前日にも書いたM班は建物と周辺環境を模型で再現した。3×6板ほどの大きさの敷地模型に稲穂が広がり、あぜ道があり、その先に林に囲まれた『あずまだち』が佇んでいる。
 
M班による説明
敷林 富山県砺波平野 「垣入(かいにょう)」:『あずまだち』
 この建物を『あずまだち』と言う。屋根の部分に漆喰になっていて基本的に平屋である。二回はすぐに屋根裏になっており、そこでイネなどを乾燥させる風習がある。屋敷林と『あずまだち』の関係としては、田から少しあがっていたりする。それは外から見ると田んぼから浮いているように見える。屋根の上で杉の枝が伸びていて屋根部分を重点的に風、雪から保護している。隣は200m向こうにあり、散居村の農業の形態としては自分の家の周りで生活をする。
 
手塚評
 散居村はなぜ緑のある家なのか、という眼差しから語ってくれるかな?君はポーカーでいえば(勝てる)カードをもっている、しかし出し方の順番がよくない、だから負ける。では、普通に建っている家とはこれは何が違う?もう少し突っ込むとこの建物は精華大学の前に建ててもいい建物だろうか?建物がどう違うかということがここでは知りたい。
 僕がこれを緑のある建築と言ってみるならば、たとえるならこれをこう引っ張り出してきてここに置くと(『あずまだち』の住居を掴み、隣の何も置いていない机に置く)殻から出たヤドカリみたいなもんだとだという。殻から出たヤドカリは死んでしまうので、一生懸命代わりの殻を探す。この家も見てみると意外とスカスカでかつ無防備、他の場所では無防備すぎて住めたものではない、実はこれはヤドカリのようにこの周りの緑に完全に依存している。まず第一にプライバシーやいろいろな意味でこのとても広い田んぼに依存して建っていて、道を渡って入ってゆくと屋敷林に守られていて、それによって風を抑えていたりする。家の中を見てみれば、田んぼを見るために軒が付いていてそれを見て気持ちのよいように出来ている。これを精華大学前に持ってきたらほとんど意味がなくなってしまう。
 動物図鑑などでは裸の状態のヤドカリを見せない、しかしあの貝殻はヤドカリのものではない。この『あずまだち』もこれが建物なのではなく、ここまでが(敷地模型の端のあたりを指差しながら)この建物だといういい方ができると思う。
ヤドカリは貝殻があるからヤドカリ。だから『あずまだち』をこれだけ見せてもだめで、この環境、この緑があって初めて『あずまだち』が成立する。ゆえに緑のある建築である、と。そういう説明ができるよね。もう少しなにか考えてみて。
 


P班

P班は三回目のクリティックである、二度目に提出した既存の建築を応用しメンバーがそれぞれ模型を作った。三種の模型が提示されそれぞれに優れていた(以下英語で行われたディスカッション要点の翻訳)

T:窓のこのエッジはどんな効果があるだろう、ここにエッジがないのとは何が違うだろうか。
 
S:これは........
 
T:(すぐさま)たとえばこの壁と壁の間を直接つないだ場合、それは建築の一部であることをやめて空の一部になると思う。ここでは一方、ここにエッジがあることによってこの開口部は屋根の面(surface)に属していると言うことができ、この開口部を建築の一部とすることができる。それがこの緑を建築の一部として取り込むことに一役かっている。(直方体ヴォリュームの方を指さされながら)このスリットはなんのためにある?
 
S:これは次の部屋へのシークエンスを示すためにある。単に連続性を示している。
 
T:入口はどこだろう?この建築ではとても重要だと思うのだけれど。

S:それはまだです。スタディなので。

T:例えばこの部分から入ると、とても暗いトランクの中に入る。たぶん奥のほうにやわらかな光が落ちているのが見える。そしてこの光のあふれる部屋に到り、上を見上げた時、直接には見えないがスクリーンを通して緑の存在を感じることができる、緑を見たいという欲求をかきたてる。
それではもし反対から入るのならどうだろう?ストーリーは変わる。この部屋に入ったとたん「ああこの素晴らしい光は「あの」緑からできているんだ」と思う。なぜならここを訪れる人はここに来る途中の道でこの緑を確認していた。
 言ってみればこれは二つの映画だ。一つは結果から始まる映画であり、もう一つは最初には何も情報が与えられず、最後に行くにしたがって明らかになる映画。
 良い取り組み方だと思う。けれどこの円形のもの(三つの模型のうちの一つ、記事では言及していません:記者)は、方向性などが考えられてないのがよくない、桜も花だけになってしまっている。
 さっきのスクリーニングの模型は1to1で作るのがいいとおもう。
 
S:1to1....やりようによっては出来るかもしれない。もしあなたがもとめるなら....
いや、大丈夫問題ない。
 
T:それはいい心がけ(笑 大学がサポートしてくれるんじゃないかな(笑
君たちはいいチームだよ。完成を楽しみにしてる。


ほとんどのチームが二回目のチェックを終えた。初日、二日目を経て幾つかのグループは第二課題へと進んでいる。


by Koki Yamanishi



TZK_M_check2.jpg
M班のチェック


TZK_M_check3.jpg
同上


TZK_P_check2.jpg
P班のチェック


TZK_P_check.jpg
P班によるスタディ模型